京都に起った此の争乱がやがて、地方に波及拡大し、日本国中が一つの軟
体動物の蠕動運動の様に、動揺したのである。
元来
体の弱かった母は一粒種の彼を産んだ後さえ、一滴の乳も与えなかった。
お鳥は玄鶴の寝こまない前から、——七八年前から腰抜けになり、便所へも通えない
体になっていた。
しかしまだそのほかにもまんざら用のない
体ではなかった。
それも酒で
体が利かないと見えて、時々はただ、中心を失って舷から落ちるのを防ぐために、手足を動かしているとしか、思われない事がある。
「防空壕やったら、あんた、誰に気兼遠慮もいらんし、夜空襲がはいっても、身
体動かす世話はいらんし、燈火管制もいらんし、ほんま気楽で宜しあっせ」
誰でもさうだらうが、私も
体が弱るにつれて、それが悪臭なら無論、芳香であつても、すべてのにほひといふにほひには全く堪へ性がなくなつてしまふのである。
中には彼女が在学中、既に三百何枚かの自叙伝
体小説を書き上げたなどと吹聴して歩くものもあつた。
すると大官は肥満した
体を開いて、二人を先へ通らせながら、呆れたやうな視線を明子へ投げた。