私が一字づゝ文字に突当つてゐるうちに、想念は
停滞し、戸惑ひし、とみに生気を失つて、ある時は消え去せたりする。
すなおになんらの囚われなく、日々新たにして、
停滞のない実際から来るその生活心情が窺われるのである。
洋涛万里を破るの大艦と雖ども、
停滞動く事なくむば汚銹腐蝕を免かれ難く、進路一度梶を誤らば遂に岩角の水泡に帰せむのみ。
それまでは、重力のみをしんしんと感じ、境界も水平線もなかったこの世界にも、ようやく
停滞が破られて、あの蒼白い薄明が、霧の流れを異様に息づかせはじめた。
そしてこの命令に背く時、われわれの生は、われわれの自我は、
停滞し、腐敗し、壊滅する。