青いネオンで「カフェ・青蘭」と書かれた、裏露路にしてはかなり大きなその店の前には、恒川と呼ぶ
小綺麗な煙草店があった。
しもた家の多い山の手を始め
小綺麗な商店の軒を並べた、江戸伝来の下町も何か彼を圧迫した。
小綺麗に片づいた茶の間は勿論、文化竈を据えた台所さえ舅や姑の居間よりも遥かに重吉には親しかった。
二人の間の茶ぶ台には、大抵からすみや海鼠腸が、
小綺麗な皿小鉢を並べていた。
人攫いは
小綺麗な女の児を攫って行くんですが、男の児も攫われることがある。
起き直って見ると、それは柳橋のお照という芸妓の妹分で、お浪という今年十八の
小綺麗な女であった。
併しこの母子が誰の仕送りで、こうして
小綺麗に暮しているのか、それは近所の人達にもよく判らなかった。
熊蔵の湯屋にも二階があって、お吉という
小綺麗な若い女が雇われていた。
雪の世界に固有な静けさといかにも落ちついた気分が、
小綺麗な炉にも黒ずんだ柱にも認められる。