深く蒼味がかった真佐子の尻下りの大きい眼に
当惑以外の敵意も反抗も、少しも見えなかった。
で、仕方がないというよりも、這々の体で本陣を退って、越前勢の陣所へ帰って来たものの、主君の忠直卿に復命するのに、どう切り出してよいか、ことごとく
当惑した。
長谷川は保吉の後ろの机に試験の答案を調べかけたなり、額の禿げ上った顔中に
当惑そうな薄笑いを漲らせていた。
殊に肩上げをおろしたばかりの三重子は
当惑以上に思ったかも知れない。
ただ、私の父が女房に死なれて貧乏世帯に子供をかかえて
当惑した時、そこにほぼ双方の境遇が平均したものと考えられる。
父が自分の仕事や家のことなどで心配したり
当惑したりするような場合に、母がそれを励まし助けたことがしばしばあった。