「形相御免」の例文

「形相御免」の書籍での例文

町を歩いてゐたら、猛烈な勢ひで、野獣の形相をして、目の前を走つて行つた老紳士を見た。

その横に猿もぶらさがつてゐたが、恨みをこめ、いかにも悲しく死にましたといふ形相で、とても食ふ気持にはなれない。

一呑みといふ形相であつた。

さうして、年役の人々は、皆それ／″＼のお面の形相を評して、不思議な事には、どれもこれも、皆昔のお面に生きうつしだと言うてゐる。

しかし、日本へ帰つて自分の仕事を始めてみると、このまゝ死ぬのはやりきれぬといふ未練が、病気の形相を必要以上におそろしいものにした。

ふだんと違って、すさまじい形相で唸りながら、薄雲のあとを追おうとする。

ここにすごい形相で並んでるあたしらって何？すでに行列してる子たちより遥かに長く生きててもなお、良縁を願う。

　反対に、いのちの列車に石炭をくべて、あの北極星に向かってなるべく速く進めと必死の形相をしている僕は本当は何を求めているのだろうか。

それまで、鬼の形相で闘っていた旗手からは想像できないくらいの、1ミリの不純もない綺麗な笑顔である。