ひたすら妄想に身を焼きこがした人々が、やがてこれらの仏像のやうに、汲めども尽きぬ
快楽と秘密をたきこめた微妙な肉体を創りだすこともできるのでした。
それで、その当時、私の乗つて居た汽車が横浜近くに来る頃から私の神経は阿片に点火して激しい
快楽を待つて居る時の不安と憧憬とを覚えはじめた。
遊び尽くした小鳥の日暮れて古巣の梢にかへるやうに、日光と
快楽とに倦んだ心のさみしい灯心草の陰影をもとめるやうに。
加之ならず自分達が利慾的盲動や何よりも好きな不善の
快楽を攻撃されるのが読書子側だから何となしに読書家を煙たがる。
要するに吉田は、女性を単なる
快楽の対象として取り扱うのが嫌な気がするのであった。
快楽と実用とは、主観に於ては美の要素なりと雖、客観に於ては美の結果なり、内部にありては、美を構成するものなりと雖、外部の現象に於ては美の成果なり。
快楽と安逸は人間の必然の希望なり、然れども熱意は
快楽と安逸とを放棄して、苦痛に進入せしむることあり。
恰も南下漢人を征せる、拓跋魏の健児等が、其北狄の心情を捨てて、悠々たる中原の春光に酔へるが如く、彼等も亦富の
快楽に沈酔したり。
けれどもやがて農業の発達は、まだ多少食人の風の残っていた、蛮人のこの
快楽を奪ってしまった。