又一説には、単に奉公人として召仕う分には仔細ないが、万一これと情を通ずる者があると、それから種々の
怪異を見るのだとも云う。
浅草寺観世音の仁王門、芝の三門など、あの真中を正面に切って通ると、
怪異がある、魔が魅すと、言伝える。
それが今やこの
怪異をみせたので、李氏の一家は又おどろかされた。
なにしろそのままにしてはおかれないというので、男と女の死骸を蔵めたままで、その柩を寺の西門の外に埋めると、その後にまた一つの
怪異を生じた。
こういう噂がそれからそれへと伝えられて、このごろ清水山のあたりにあらわれる女は夜鷹のたぐいではない、まったく何かの
怪異に相違ないということになった。
眼にも見えないその
怪異に取り憑かれたものは、最初に一種の瘧疾にかかったように、時々にひどい悪寒がして苦しみ悩むのである。
しかし、今回の三番てがらは、前回と同様捕物
怪異談は
怪異談でございますが、少々ばかり方角が変わりまして、場所はおひざもとの江戸でなく、武州忍のご城下に移ります。
「ホー、
怪異!
怪異!
怪異!」と、あたかも一大秘密でも見出せしごとく、すぐさまその黄色い紙を衣袋に押し込み、物をも云わず、岬の上の別荘めざして駆け出した。
で、私の物語ろうとする『稚子法師』の
怪異譚は即ち蘇門病歿の時を以て、先ず其端を発するのである。