さうなると、一種の
愉快な興奮に駆られるのは、私一人に限つた事ではないでせう。
して見れば盗人と名のついたものと、しばらくでも一しょにいると云う事は、
愉快ではないかも知れません。
忌いましい物売りを一蹴したのはハヴァナを吸ったのよりも
愉快である。
して見ればここに住んでいるのは、たとい
愉快ではないにしても、不快にはならない筈ではないか? が、自分はどうかすると、憂鬱の底に沈む事がある。
そうして、その集注されていると云う事を意識するのが斉広にとっては、かなり
愉快な感じを与えた。
明子はやはり踊つてゐる友達の一人と眼を合はすと、互に
愉快さうな頷きを忙しい中に送り合つた。
彼女は朋輩の売笑婦と違つて、嘘もつかなければ我儘も張らず、夜毎に
愉快さうな微笑を浮べて、この陰欝な部屋を訪れる、さまざまな客と戯れてゐた。