神火が荒れ海に燃えてゐるといふので村の人々は驚愕して海辺に坐つて火を
拝む始末であつたが、男は水中で松明を消して小左衛門の裏庭の浜へ上つてきた。
だから、村全体として、其移住以前の本郷の神を
拝む為の御嶽拝所を造る事も、不思議ではない。
石を神体と言ふ事、狂言の「石神」などを見ても知れる如く、石其物を
拝むと言ふより、石に仮托した動物の霊魂を崇めてゐる、と考へる方がよさゝうである。
天皇を
拝むことが、自分自身の威厳を示し、又、自ら威厳を感じる手段でもあったのである。
狐はまるで人間が手を合わせて
拝むような形をして、二三度拝んだと思うと、さもうれしそうにしっぽを振って、草叢の中へ逃げて行ってしまいました。
伝六はむっつり稲荷の門番なんだ、奥の院を
拝むにはまずあっしに渡りをつけなきゃというわけでね。
三「何でも金にさえなれば摩利支天様でもお祖師様でも
拝むんで、それだから神様の紋散しが付いて居るんで……母親さん今日は、お留守でげすか……美代ちゃん今日は」
顔をあげて
拝むような目付をしたその男の有様は、と見ると、体躯の割に頭の大きな、下顎の円く長い、何となく人の好さそうな人物。