この木は世界の夜
明以来、一万年に一度花を開き、一万年に一度実をつけていた。
それからずっと堂の奥に常燈
明の油火が一つ、龕の中に佇んだ聖者の像を照らしている。
それは御影の手水鉢の上に枝を延ばしている木蓮が、時々白い花を落すのでさえ、
明に聞き取れるような静かさだった。
が、彼自身が見せびらかさないまでも、殿中の注意は、
明かに、その煙管に集注されている観があった。
が、垂仁朝の貉は、ただ肚裡に
明珠を蔵しただけで、後世の貉の如く変化自在を極めた訳ではない。
立てきった障子にはうららかな日の光がさして、嵯峨たる老木の梅の影が、何間かの
明みを、右の端から左の端まで画の如く鮮に領している。
天主と云う名に嚇されて、正法の
明なるを悟らざる汝提宇子こそ、愚痴のただ中よ。
これも、某と書かずに、何の誰と、ちやんと姓名を
明にしたいのであるが、生憎旧記には、それが伝はつてゐない。
北畠ドクトルは、よし実名を
明にした所で、もう今は知つてゐる人もあるまい。