山又山の峯の重なりを
望むときの翁は、何となく焦慮を感じた。
後醍醐天皇が伯耆船上山に御還幸の時、名和長重は「古より今に至るまで、人々の
望む所は名と利の二也」と放言して、官軍に加ったことが『太平記』に見える。
そこで今日はそのお礼に、ここまでわざわざ来たのだから、何でも好きなものを
望むが好い。
上一人の位を
望むべからずとの天戒を定め玉い、この天戒を守らばその功徳に依って、DS の尊体を拝し、不退の楽を極むべし。
それを知りたいと
望む多数の人の一人として私もそれから多分の示唆を受けうるであろうから。
殊に傷しいのはその眼の色で、これはぼんやりした光を浮べながら、まるで屋根の向うにある、際限ない寒空でも
望むやうに、徒に遠い所を見やつてゐる。
小そのが永年の辛苦で一通りの財産も出来、座敷の勤めも自由な選択が許されるようになった十年ほど前から、何となく健康で常識的な生活を
望むようになった。