家は数十丈の絶壁にいと危くも
桟づくりに装置いて、旅客が欄に※り深きに臨みて賞覧を縦にせんを待つものの如し。
(僕は洛陽の客
桟にストリントベリイの「痴人の懺悔」を読み、彼も亦僕のやうに情人に※を書いてゐるのを知り、苦笑したことを覚えてゐる。
はなれ家の座敷があって、廊下が
桟のように覗かれる。
偶然にも、さずきの転音に宛てた字が
桟敷と、
桟の字を用ゐてゐるのを見ても、さじき或は棚が、かけづくりを基とした事を示してゐる。
カタカタカタカタ、さーッ、さーッ、ごうごうと吹くなかに——見る見るうちに障子の
桟がパッパッと白くなります、雨戸の隙へ鳥の嘴程吹込む雪です。
「キリリコロコロ、私はいつもこの雨戸の
桟に御厄介になっているもので御座います。
盤得尼が錠前を外し扉を開くと、正面には半開きになっている太格子の網扉があって、その黒い
桟の内側には、西の内を張った※子障子が、格の間に嵌められてあった。