——それは小児たちが一心不乱、目まじろぎもせずにお弁当の時を待
構えて、無駄な足踏みもせぬからで。
向って左の方に、ひときわ高くあたかも船橋のような屋上露台を
構えたのが主館であろう。
云い忘れたが岳陰荘は二階建の洋館で、北側に門を
構え、階下は五室、二階は東南二室からなり、その二室にはそれぞれ東と南を向いて一つずつの大きな窓がついていた。
幾度も同じような失敗を繰り返しながら、若い農夫は猟銃を
構えて、馬車の上を狙いながらその後を追いかけた。
三本めの桜の横をだらだらと向こうへ降りながら、まもなく相合いがさのふたりが訪れたところは、ひと目にどこかの寮とおぼしきしゃれたひと
構えです。
直接、奉行に出馬のお許しを願ったとみえて、ゆうぜんと
構えている名人右門をしり目にかけながら、手下の小者を引き具して、これ見よがしにもう駆けだしました。
ところが潤州へ来て観ると、楽みにしていた張氏の家というのは、なるほど
構えは広そうですが、いかにも荒れ果てているのです。
五、六丁線路を伝って、ちょっとした切崕を上がるとそこは農場の
構えの中になっていた。
十町ばかり一目に見渡す青田のたんぼの中を、まっすぐに通った県道、その取付きの一
構え、わが生家の森の木間から変わりなき家倉の屋根が見えて心も落ちついた。
田口というは昔の家老職、城山の下に立派な屋敷を昔のままに
構えて有福に暮らしていましたので、この二階を貸し、私を世話してくれたのは少なからぬ好意であったのです。