だから、非常にひよわなさかなのように思われているが、その実、鮎は俎上にのせて頭をはねても、ぽんぽん躍り上がるほど元気
溌剌たる魚だ。
僕がまだ何とも答へない内に、氏の眼には忽ち前のやうな
溌剌たる光が還つて来た。
そこでは、常に、「
溌剌たる才気」がもつとも「約ましい姿」を見せてゐる。
甚兵衛は朝からの戦いでかなり疲れていて、鎧の重さが、ひしひしと応えるのに、その男は軽装しているために、
溌剌たる動作をなした。
まして釣は猶更のこと、その神秘な自然の深みへ没入して、初めて
溌剌たる魚を引掛け得るのだ。
東京の魚河岸には毎朝まだいを塩水に泳がせて、大いにその
溌剌たる姿を見せている。
虻や蜂があんなにも
溌剌と飛び廻っている外気のなかへも決して飛び立とうとはせず、なぜか病人である私を模ねている。
思想は(客觀と關係する點から云へば)客觀より與へらるゝ處を受納し之を材料として主觀内に於いて
溌剌たる能動の態度を採る。
溌剌たる鯉の如きも、冬、爼の上に載するに、ぢつとして動かずと聞く。