元来神は、吾人の見る事の出来ぬ渺漠たるもの、果ては、広大無限、不可思議の宇宙を造り、その間には、日月星辰山川草木と幾多の
潤色がしてある。
私はただ事実のありのままを書くだけであって、決して少しの誇張も
潤色もしないつもりであるが、読者は、こんな話はあり得べからざることだと思われるかもしれない。
聖徳太子と相並んで、日本の民間芸術の始めての着手者と考へられて来た秦河勝は、伝説的に
潤色せられたところの多い人である。
その消息を現代文に書きかえ、敷衍し
潤色したものがこの作である。
これは予が嘗て三田文学誌上に掲載した「奉教人の死」と同じく、予が所蔵の切支丹版「れげんだ・おうれあ」の一章に、多少の
潤色を加へたものである。