わたしは多少
無気味になり、もう一度足を早めようとした。
けれども「離れ」へはいることはどうも彼には
無気味だった。
Nさんは急に
無気味になり、抑えていた手を緩めずに出来るだけ大きい声を出した。
その声がまだ消えない内に、ニスの※のする戸がそっと明くと、顔色の蒼白い書記の今西が、
無気味なほど静にはいって来た。
無気味に、——と云うよりもむしろこの桜が、何故か彼を不安にする、日本そのもののように見えたのだった。
同時にそれが彼の後ろにうろついていそうな
無気味さを感じた。
私はいつもの通りランプの前にあぐらをかいて、漫然と書見に耽っていると、突然次の間との境の襖が
無気味なほど静に明いた。
が、何だかこの顔は、
無気味な所があるようじゃありませんか。
竈さへわからない台所にも、この時だけは
無気味な燐光が見えた。