ART DE DIRE(
物言ふ術)といふ言葉にぶつかつた時、それが芝居の言葉であるだけに、私は首をひねつた。
西洋に於ける俳優の「
物言ふ術」なるものは、最も初歩的な修業の階梯を示すものに過ぎぬ、と。
○おもふがまゝに後世を軽侮せよ、後世は
物言ふことなし、
物言ふとも諸君の耳に入ることなし。
暗示といふことは、必ずしも、間接的な
物言ひや、遠廻しな言葉使ひを指すのではない。
ところが、國木田氏の一つの新しさでもあり、真の新しさではないが、——反語的な考へ方・
物言ひが、聴く人々の心を、うつちやる。
かう言ふ憎々しい
物言ひをして、大變な勞作を積んで入らつしやる作家諸氏に失禮に當つたら、御免下さい。
彼の口は、皮肉で、不逞な
物言ひをするに繋らず、犯蹟を創作する彼の心は、極めて美しい。
たとえば冒頭の「いづれの御時にか、女御更衣あまたさぶらひ給ひけるなかに」云々の語法は、今もなお上品な
物言の婦人に用いられている。
時々は、一人稱であるべき抒情部分にすら、三人稱の立ち場からの
物言ひをまじへて居る。