翌年の三月某日、これも雨後の朝、鎌倉にゆく途中、六郷鉄橋の辺から、再び
玲瓏たる姿に接した。
ここに醜怪なる蝦蟇法師と正反対して、
玲瓏玉を欺く妙齢の美人ありて、黒壁に住居せり。
天孫又問曰、其於秀起浪穂之上、起八尋殿而、手玉
玲瓏織※之少女者、是誰之女子耶。
あごの無精ひげを指先でつんつんとひっぱりながら、じっとご奉行神尾元勝の顔を見ているうちに、かれの玻璃板のごとき心鏡は、
玲瓏として澄み渡ってまいりました。
島崎氏の歌は森の中にこもる鳥の歌、その
玲瓏の囀は瑞樹の木末まで流れわたつて、若葉の一つ一つを緑の聲に活かさずば止まなかつた。
折々の空の瑠璃色は、
玲瓏たる影と成りて、玉章の手函の裡、櫛笥の奧、紅猪口の底にも宿る。
昌黎植うる處、牡丹もと紫、今は白紅にして縁おの/\緑に、月界の採虹
玲瓏として薫る。
玲瓏、明透、その文、その質、名玉山海を照らせる君よ。
生ける犬を屠りて鮮血を啜ること、美しく咲ける花を蹂躙すること、
玲瓏たる月に向うて馬糞を擲つことの如きは、言はずして知るベきのみ。
生ける犬を屠りて鮮血を啜ること、美しく咲ける花を蹂躙すること、
玲瓏たる月に向うて馬糞を擲つことの如きは、言はずして知るベきのみ。