それは老人には
珍しい肺結核の床に就いている玄鶴の息の匂だった。
それは長江を遡って来た僕には決して
珍しい見ものではなかった。
だから、もうこうなればお国なまりの二本差しも
珍しいので、先になって、足を踏まれたぐらいは問題でないので。
「なるほどさようか、いかにも
珍しい話じゃが、名はなんと申すか」
——たいそうもなく斜めないごきげんで鷹野をつづけていくうちに、下尾久へはいろうとするあたりから、年まえの江戸には
珍しい粉雪が、ちらちらと舞いだしました。
男には
珍しい餅肌が、自然と血の色を透かせたのである。
雲飛といふ人は盆石を非常に愛翫した奇人で、人々から石狂者と言はれて居たが、人が何と言はうと一切頓着せず、
珍しい石の搜索にのみ日を送つて居た。
常も樂しさうに見えるばかりか、心事も至て正しいので孤兒には
珍しいと叔父をはじめ土地の者皆に、感心せられて居たのである。
いつも楽しそうに見えるばかりか、心ばせも至って正しいので、孤児には
珍しいと叔父をはじめ土地の者みんなに、感心せられていたのである。