また、それが
稀代の気丈女、落籍されてから貯めた金で、その後潰れた玉屋の株を買い取ったのであるから、云わば尾彦楼にとっては初代とも云う訳……。
この一物の一発たるや、銀山摧くべし、鉄壁穿つべし、姦※の人の国に仇をなす者、之に触るればたちどころにその魄を喪ふべし、まことに
稀代な珍品だ。
もつとも私は
稀代のオッチョコチョイであるから、当時流行の思潮の一つにそんなものが有つたのかも知れない。
天下
稀代の頭脳、利剣の冴え、飛ぶ矢の早読み、顕微鏡的心眼であるが、事はまことに重大だ。
アカデミシヤンの中に
稀代の天才が紛れ込み、代議士のなかに相当話せる人物が混つてゐたりするやうに。
この少納言は、伽陵と云う名高い笙と、大食調入食調の譜とを、代々御家に御伝えになっていらっしゃる、その道でも
稀代の名人だったのでございます。
ところが、いかに
稀代の予言狂とはいえ獄中にあっては、予言癖を発揮する自由がなくなってしまって淋しいことであろうと思っていたら、さすがに雀百まで踊忘れずである。
そしてそのかわりに生食には少し劣るが、やはり
稀代の逸物である磨墨という名馬を与えられた。