城下金沢より約三里、第一の建場にて、両側の茶店軒を並べ、件のあんころ餅を鬻ぐ……伊勢に名高き、赤福餅、草津のおなじ姥ヶ餅、
相似たる類のものなり。
葭管より天を窺ふは、管小に過ぎ天大に過ぎて尽す可きにあらず、夜眼遠眼、凡を過つて美となすことあり信ず可からず、二者意
相似て聊か異なり。
仮に良寛様の書風に
相似たところがあるとしても内容には雲泥の相違がある。
此等の同致を列記すれば際限あらじ、然れ雖余が此二作の意匠
相似たりと言ふは、此等外部の同致のみにあらず、作家着想の根本に入りて、理想の同致あるを認めたればなり。
主人公の名の糸七は「縷紅新草」のそれとひとしく、點景に赤蜻蛉のあらはるゝ事も亦
相似たり。
捕吏の、盜人を蹤跡する詞に、「足がつく」足をつける」といふことあり、語釋の穿鑿も
相似たりと、ひとり笑へる事ありき。