尤も前にも云つたやうに、「負郭の田三百畝、半は黍を
種う」と云ふので、飲の為に家産が累はされるやうな惧は、万々ない。
現にある時は武者小路氏の戯曲さえ言い合いの
種になった。
朝飯兼昼飯をすませた後、僕は書斎の置き炬燵へはいり、二三
種の新聞を読みはじめた。
しかしこれは捨児を
種に、悪事でもたくらむつもりだったのでしょう。
あるいは己の愛している女に、それほどまでに媚びようとするあの男の熱情が、愛人たる己にある
種の満足を与えてくれるからかも知れない。
それは実際黒い羽根に青い光沢を持つてゐるミノルカ
種の庭鳥にそつくりだつた。
が、すぐに又視線が移ると、彼女は必吐息を洩らして、光沢のない黒繻子の上衣の肩を所在なささうに落しながら、もう一度盆の西瓜の
種をぽつりぽつり噛み出すのであつた。
かう云ふわたしは北原白秋氏や木下杢太郎氏の播いた
種をせつせと拾つてゐた鴉に過ぎない。