そして人間の欲望は禁じられ、困苦欠乏に耐へることが
美徳となり、自我にでなしに、他に対する忠誠が強要せられる。
実際又公平なるものは生憎僕には恵まれてゐない、——と云ふよりも寧ろ恵まれることを潔しとしない
美徳である。
その必要をもとめる精神を、日本ではナマクラの精神などと云い、耐乏を
美徳と称す。
これをわれ/\が「諦め」なる
美徳の表れなりとすることは自由であるが、その
美徳が、実は、曲者なのである。
そこでは、羞恥は
美徳にあらず、アヴンチュウルは犯罪と見做されるであらう。
また支那從來の風俗として女子は中饋を掌つて、外事に干與せざるを
美徳としてあつたが、現今の女學生などは、中※そんな奴隷根性を持ぬと主張する。
真面目と呼ばれる
美徳の一つはそれらの人々(直覚するとともに解剖する)には与えられない。
世間智と愚と
美徳とは彼女の一生の中に一つに住んでゐる。
服従と自己抑制とは時として人間の
美徳であるけれども、人生を司配すること、この自由に対する慾望ばかり強くして大なるはない。
すなわち、このような政治のもとにあつては、ただ、支配階級の利益のために奉仕することが何よりも
美徳として賞讃される。