『これよりは、必ず、蟇口検定を受けて後ち、出遊することに定められたれば、釣は俄かに下手になり、大手振りて、
見せびらかす機会も無くて』と、呵々と大笑す。
ある西洋人は私に語つて云ふには「日本人がわれわれになんかと云ふと富士やサクラやゲイシヤを
見せびらかす量見がわからぬ。
勿論この得意な心もちは、煙管なり、それによって代表される百万石なりを、人に
見せびらかすほど、増長慢な性質のものではなかったかも知れない。
新しい船の新造下しの時には、港頭を漕いで
見せびらかす爲めの口實に、拜み祭られるといふ半間な役をするのである。
さうして田舍の新聞へ偶に自分の名が出ると、鬼の首でも取つたやうにして、持つて來て
見せびらかす旦那の仕業が、ます/\淺ましく思はれて來た。