呪ふどころか、生れて以来始めての壮大な見世物のつもりで、まつたく
見とれて、面白がつてゐたのであつた。
これだけの兜をこしらえるには、何貫文の銭が要るだろうなぞと、余計な算当をしながら
見とれているのもある。
彼は池のほとりに据えられた粗末なベンチに腰を下ろして、暫く静かな景色に
見とれていたが、雑木林の中を歩きながら考えた。
両国河岸にて、見せ物小屋の絵看板を、
見とれておったれば、スルスルと腰から盗みとられたとなり。
青年は、口笛を吹いて、刻々に変化してゆく、自然の惑わしい、美しい景色に
見とれていました。
そして、沖の暮れ方の景色に
見とれていましたが、そのうちに、バイオリンを鳴らすのでした。
乞食の子は、いつしか自分というものを忘れてしまって、そのかわいい人形の顔や、姿に
見とれてしまったのです。
くだんの美人はこの絶景に
見とれて、途々根気よく頬ばつてゐた向日葵の種の殻を吐きだすことも打ち忘れてぼんやりと考へこんでしまつた。