泣いたのと暴れたので幾干か胸がすくと共に、次第に疲れて来たので、いつか其処に臥てしまい、自分は蒼々たる大空を
見上げていると、川瀬の音が淙々として聞える。
自分はいつの間にか白い寒椿の花になっていて、眼の前にはちえ子さんそっくりの女の子が立ちながら自分を
見上げております。
彼女は漠然とした明るく寂しい巴里の空を一寸
見上げて深い息をした。
義助 (竹垣の折戸から舞台へ出て来ながら、屋根を
見上げて)あなに焼石のような瓦の上に座って、なんともないんやろか。
如来が雷音に呼びかけた時、尼提は途方に暮れた余り、合掌して如来を
見上げていた。
しかもその中で、あの親孝行ものゝ健吉が「赤い」着物をきて、高い小さい鉄棒のはまった窓を
見上げているのかと思うと、急に何かゞ胸にきた。
そんな時の私達は、きっと、襟をかき合わせ、眉を寄せて寒空を
見上げているに相違ありません。
泣いたのと暴れたので幾干か胸がすくと共に、次第に疲れて來たので、いつか其處に臥てしまひ、自分は蒼々たる大空を
見上げて居ると、川瀬の音が淙々として聞える。
少女は此二階家の前に来ると暫時く佇止って居たが、窓を
見上げて「江藤さん」と小声で呼んだ、窓は少し開ていて、薄赤い光が煤に黄んだ障子に映じている。
」と坐ったまま廂の先から空を
見上げて、「大丈夫やろう、あの通り北風雲だから。