「せっかく、救けて頂いたようなものの、行先の
覚束なさ、途中の難儀、もう一足も踏み出す勇気はございません。
そう云う何分かが過ぎ去った後、女は仕事を続けながら、突然、しかし
覚束なさそうに、こう誰かへ声をかけた。
私は雨に濡れながら、
覚束ない車夫の提灯の明りを便りにその標札の下にある呼鈴の釦を押しました。
この集の如きも、或は諸君の名によって——同人の一人の著作として
覚束ない存在を未来に保つような事があるかも知れない。
醜きは、子守の借着したるか、茶番の姫君の戸惑せるかと
覚きもあれど、中には二十人並、五十人並優れたるもありき。
善の道に立ち入りたらん人は、御教にこもる不可思議の甘味を
覚ゆべし。
されど、嗚呼されど、予は硯に呵し紙に臨んで、猶惶々として自ら安からざるものあるを
覚ゆ。
芭蕉はさつき、痰喘にかすれた声で、
覚束ない遺言をした後は、半ば眼を見開いた儘、昏睡の状態にはいつたらしい。
さうして
覚束ない薄明りの中に、引き金の具合を検べ出した。