わたしは勿論振りかへらずにさつさと足を早めつゞけた、湿気を孕んだ一陣の風のわたしを
送るのを感じながら。
しかし、藩主忠利侯は在府中である上に、みだりに援兵を
送ることは、武家法度の固く禁ずるところであった。
大学を出ても、まだ他人の家の厄介になっていて、何らの職業も、見つからないのに、彼の故郷からは、もう早くから、金を
送るようにいってきていた。
——と云うような始末でしたから、ともかくも夫婦は久しぶりに、幸福な家庭の生活を
送る事だけは出来たのです。
「こう云うのどかな日を
送る事があろうとは、お互に思いがけなかった事ですからな。
事実、かの女自身も、むす子に
送る学資のため、そうとう自身を切り詰めている。
北海道の人里はなれた植民地に咲く福寿草は、そこに孤独な生活を
送る人々の心を、どんなに慰めることでしょう。
僕は君に
送る最後の手紙の中に、はつきりこの心理を伝へたいと思つてゐる。
處が此アルゼリヤ國の中でブリダアといふ市府の人は分ても怠惰ることが好き、道樂をして日を
送ることが好きといふ次第である。