我々の国語は、漢字の伝来の為に、どれだけ言語の怠惰性能を逞しうしてゐたか知れない程で、決して
順当の発達を遂げて来たものではないのである。
わしが君に此様な事を云ふのは、わしの身の上に起つた事が、
順当に行けば決して起らなかつたと云ふ事を知らせる為めに云ふのである。
良人は四十も過ぎているし、私はやっと二十二の春を迎えた許りですし、誰が見ても
順当に運んだ新郎新婦とは受取りますまい。
今度の双葉山の場合は、自分はこのごろ相撲に遠ざかつたので、よく訣をしらないが、太刀山の場合は、正面から
順当に行つたのでは、どうしても勝味のないものであつた。
ガスコアン大尉とゼラール中尉との交情は、十日ばかりの間、
順当に発展した。
君と僕との交誼が深ければ深いほど、黙していた方が
順当なのであろう。