マラルメは
頽廃派だから歯が痛むと唄つてゐるが、私は齲歯を痛めてもならない。
頽廃も混乱も空白も、つまり、外観は野蛮に通じるのである。
敗戦後国民の道義
頽廃せりというのだが、然らば戦前の「健全」なる道義に復することが望ましきことなりや、賀すべきことなりや、私は最も然らずと思う。
現在の検閲制度とその方針なるものは、ヂヤーナリズムをあげての卑俗化と
頽廃化を如何ともすることができないではないか。
青年の無気力が云々され、インテリ階級の
頽廃が論ぜられるといふのは、結局「日本はどうなるか」といふことの不安に原因があるばかりではない。