彼は、マスクに口を蔽った、人間よりも、動物に近い
顔をしている。
が、今度の本多少佐はただ食堂へ出る度に、禿げ鷹に似た
顔を見かけただけである。
僕は不幸にも「あの人」の
顔だの服装だのを覚えていない。
それが皆、眠の足りなそうな
顔を、陰気らしく片づけている。
「お盆の十六日にまたあいつと
顔を合わせるなんぞは、ほんとうに因縁話だな。
だれとも
顔を合わせるのがいやだから、いま時分歩くのだ。
それが彼の
顔を見ると、算盤を竪に構へたまま、にこりともせずに返事をした。
女の子はまつ黒な婆さんの
顔へ、悲しさうな眼を挙げました。
が、その暇にも権高な伯爵夫人の
顔だちに、一点下品な気があるのを感づくだけの余裕があつた。
家じゅうで
顔がいちばん私に似ているのもこの伯母なら、心もちの上で共通点のいちばん多いのもこの伯母です。