その後本郷の
飲み屋に於て、飲んだくれは数限りなく会つてゐるが、フレンドシップなどといふ怪しいまでに粋なことを論じてゐる御人に会はないせゐかも知れない。
すべてこれらのことは彼がふじの家(それが
飲み屋の名)に於て人々に打ちあけた事実であったが、誰も信用する者がなかっただけの話なのである。
浅草の
飲み屋にいると、興行師とか、一座を組織してドサ廻りにでようとか、そういう相談をしている何組かゞ隣席にいて、これが面白いものである。
すると、へえ、あなたが、と云つて、私の行きつけの怪しき
飲み屋の怪しき構へを改めてジロ/\見まはしたり、又は私の怪しき洋服に目をつけたりする。