自宅へ強盗を手引きした青年があったと思うと、人数も同じ四人組で自宅で強盗した絹
香さんという二十一の娘が現れた。
『左伝』は特に好きで、その時分、都路華
香さん、澤田撫松さんなど御一緒でした。
いととほき花桐の
香のそことなくおとづれくるをいかにせましや
いまだ孵らぬ卵をかぞへるやうな愚かなことですけれど、天
香さんが遥々私を見舞に来て下さるさうで、勿体なく思つてゐます。
翅も脚もことごとく、
香の高い花粉にまぶされながら、…………
しかしこれさへ、座敷の中のうすら寒い沈黙に抑へられて、枕頭の
香のかすかな匂を、擾す程の声も立てない。
その頸には白い汗衫の襟が、かすかに
香を焚きしめた、菜の花色の水干の襟と、細い一線を画いてゐる。
その
香をかぐと、ともするとまだ外国にいるのではないかと思われるような旅心が一気にくだけて、自分はもう確かに日本の土の上にいるのだという事がしっかり思わされた。