おたきが彼等を養ふために苦労と迷惑を重ねるにしても彼等は
てんで平気であつたし、然しおたきは恐らく苦労も迷惑もしないであらう。
レビュウの姐さんは、長崎も五島も、
てんで日本地図は御存知ない様子で、そんなことなんでもないや、と気にとめるところがミジンもないから、面白い。
ところが、この女ときては、
てんで精神的な恋愛などは考へてをらぬので、この女の浮気といふのは、不感症の肉体をオモチャにするだけのことなのである。
その代り、共に亡びることも憎んでをらず、第一、
てんで戦争を呪つてゐなかつた。
と言いましたが、女はそんなことには
てんで取りあいません。
妻や友人が自分を理解するしないと云ふやうな事は、
てんで問題にならなくなつた。
正直なところ、役所へなんか
てんで行きたくはないのだ。