雪渓の上を、しぶきをあげて流れ下る滝とも川ともつかないものが出来、積雪は
どんどんやせていった。
春木少年の方は、口笛を吹きながら、手製の杖をふりまわしつつ、
どんどん山を下りていった。
雪渓の上を、しぶきをあげて流れ下る滝とも川ともつかないものが出来、積雪は
どんどんやせていった。
足の裏をくすむるように砂が掘れて足が
どんどん深く埋まってゆくのがこの上なく面白かったのです。
「そんなことは知りませんが、わたし達が子どもの時分にもまだあの辺を
どんどんと云っていて、山の手の者はよく釣りに行ったものです。
おれゃちょっくら朝湯にいって、事のついでに床屋へ回ってくるから、おとなしく待っていなよっていいながら、
どんどん出ていったきり、いまだにけえらねえんですよ」
虎は痛いのにびつくりして、
どんどん町の方へ逃げ出したとさ。
午後になったと思うまもなく、
どんどん暮れかかる北海道の冬を知らないものには、日がいち早く蝕まれるこの気味悪いさびしさは想像がつくまい。