看板の指し示す袋小路の
どん底に、白昼もまつくらな簡易食堂があり、その二階が碁会所だつた。
けれども、彼の魂は人間の沈み得る
どん底に落ち、石よりも重く沈黙し、あらゆる物の破壊を待つてゐるだけだ。
まつたくこの作者の現身は破局に身を沈めてをり、淪落の
どん底に落ち、地獄の庭を歩いてゐたに相違ない。
かねて興味をもつてゐた「『
どん底』の『明るさ』」といふテーマと、今取つ組んでゐる最中である。
我等は我等が意識する以上に本能の
どん底から死を恐れてゐるのだ。
相当の資産があり、わざわざ路地の
どん底を選んで家を建てたのも気違いの心づかいで、泥棒乃至無用の者の侵入を極度に嫌った結果だろうと思われる。
「
どん底」の場合は、まあ、あれでいいとして、その調子が、どの脚本を演ずる場合にもついて廻るといふことは考へものである。
僕は前に、「
どん底」の演出を見て、築地小劇場の出発点はこゝだと云ひ張つた。
——その間、僅かに七八年、私は、
どん底の中で小学校を卒業した。
昔とちがって、いまは萎靡凋落の
どん底にあるが、それでも、肉紅玉髄、柘榴石などに混ってたまたま出ることがある。