その反対の、山裾の窪に当る、石段の左の端に、べたりと附着いて、溝鼠が這上ったように、
ぼろを膚に、笠も被らず、一本杖の細いのに、しがみつくように縋った。
溜って
ぼろ布のように浮く塵芥に抵抗しながら鍋膏薬の使いからしが流されて来た。
平気で摺れ違ってしまえば、多吉の方では気が付かずに通り過ぎたかも知れなかったのですが、あんまり慌てたので却って
ぼろを出したのです。
月の光で、よくそのじいさんの姿を見守ると、破れた洋服を着て、古くなった
ぼろぐつをはいていました。
ゆうべ、柿江のはいている
ぼろ袴に眼をつけて、袴ほど今の世に無意味なものはない。
ぼろを着て居る、汚い衣服で、眼垢を、アノせつせと拭くらしい、兩方の袖がひかつてゐた。
ぼろ洋服を着た男爵加藤が、今夜もホールに現われている。