当然残肴が出たわけだが、今朝ひょいと
芥溜をのぞくと、堀川牛蒡その他がそっくりそのまま捨ててある。
「老ドクトル閣下、吾々は今や父祖累代の財宝金銀、あらゆる物をば、全く土
芥のごとくに放擲したのである。
小草が数本に、その一本を伝わって倒に這降りる蟻に、去年の枯草のこれが筐とも見える
芥一摘みほど——これが其時の眼中の小天地さ。
雪解時にもかゝはらず清水は減つて、上田橋の袂にある水量測定器の白く塗られた杭には、からびた冬の
芥がへばりついてゐた。
というよりも
芥を永く溜めてはおけない流水のように、新鮮で晴やかな顔がすぐ後から生れ出て晴やかな顔つきになる。
藻と
芥に濡れたなかに、小さな灰色の蝦がピンピン跳ねている。
と、兩袖を擧げて、はた/\と拂つて、颯と埃を拭いて取ると、
芥に咽せて、クシヤと圖拔けな嚏をした。
いかにかれは零落するとも、都の巷に白馬を命として埃
芥のように沈澱してしまう人ではなかった。