悲しいかな、俗衆の口は
塵芥箱の如く、心力の咀嚼を要せざるもののみを受入れんとする。
溜ってぼろ布のように浮く
塵芥に抵抗しながら鍋膏薬の使いからしが流されて来た。
もし
塵芥めいたものを、洗ひ流された路面に求めるならば、彼と私との惨めに歪んだ靴であらう、二人の靴は大きな黒い
塵芥の凝固のやうにも見えたからである。
竹棹で大きな白い岩を突かうとした船頭は、帽子を水の中に落して、あつと言ふ間もなく、
塵芥のやうに、黒い点となつて、引ツたくられてしまつた。
河面一面にせり合い、押し合い氷塊は、一度に放りこまれた
塵芥のように、うようよと流れて行った。
私の心の奥底には確かに——すべての人の心の奥底にあるのと同様な——火が燃えてはいたけれども、その火を燻らそうとする
塵芥の堆積はまたひどいものだった。