此頃、みよふな岩に行かなぐり
上りしが、ふと四方を見渡たして思ふニ、扨※世の中と云ものハかきがら計である。
求馬は早速公の許を得て、江越喜三郎と云う若党と共に、当時の武士の習慣通り、敵打の旅に
上る事になった。
蜘蛛は巣が出来
上ると、その華奢な嚢の底に、無数の卵を産み落した。
すると、幸い門の上の楼へ
上る、幅の広い、これも丹を塗った梯子が眼についた。
入口の石段を、二三級
上ると、扉が開いているので、中が見える。
そうしてとうとうしまいには、彼の射る白羽の矢ばかりが、まるで昼見える流星のように、たった一筋空へ
上るようになった。
すると、幸門の上の樓へ
上る、幅の廣い、之も丹を塗つた梯子が眼についた。
かう云ふ先生にとつて、奥さんと岐阜提灯と、その提灯によつて代表される日本の文明とが、或調和を保つて、意識に
上るのは決して不快な事ではない。
恰もよし横ざまに崖を生ひ出でて、名を知らぬ花咲きたる、樹の枝に縋りつも、づぶ濡れのまゝ這ひ
上りし、美しき男なれば、これさへ水の垂るばかり。