鏃は空気の稀薄なるためか空気の
乾燥せる山頂にありしがためかさほど深錆とも見えないが、錫杖の頭は非常に奇麗な緑青色になっております。
神奈川辺から新しい材木とセメントの
乾燥した粉が鎚や鶴嘴のしつきりなく音してゐる空に泌みこんで潮風に濡れて来る。
お茶がしめるといけないので、折々ほいろにかけてお茶を
乾燥させるのであるが、この火かげんがなかなかむつかしかった。
寒さを形容するに響くといふ如き詞を用ひ得るは、空気の
乾燥する高地に限るであらう。
ヱジプト、アラビヤ、印度、などの
乾燥した土地では、天体を非常に近く感ずる。
といいながら、ポケットから
乾燥豚の缶詰をひっぱり出した。
当時用ひられた香油は概して固形脂肪に賦香した膏薬やうのものであつたが、
乾燥粉末状の香料もあつた。
微し風が吹いて土塵の起つ日でしたから、
乾燥いだ砂交りの灰色な土を踏で、小諸をさして出掛けました。
情熱を欠きたる聖浄は自から講壇より起る
乾燥の声の如く、美術のヱボルーシヨンには適ひ難し。
やがて世はその
乾燥と平凡と猥雑との塵労をもって、求めずとも諸君に押し寄せるであろうからである。