しかもその表には「五郎殿へ」と書いて、裏には
兄さん夫婦の名前が書いてありました。
アアとサアと二人の
兄さんは大層口惜しがって、今夜リイをウンとイジめてやろうと相談をしましたが、リイはチャンときいて知っておりました。
少年といっても彼は大学の建築科二年だから、仲間の男の中では一番若かったが、川丘みどりは十九だったからこれよりは
兄さんだった。
彼女はその交換条件として、ある材料を
兄さんのまえに提出しようというのであった。
「すこし
兄さんに頼みたいことがあって……」と、お粂はうしろをちょっと見返った。
やつと小学校へはひつた僕はすぐに「十郎が
兄さんですよ」といひ、反つてみんなに笑はれたのを羞しがらずにはゐられなかつた。
この子息の方は直樹と言って、中学へ通っている青年で、三吉のことを「
兄さん、
兄さん」と呼んでいる。
僕の前では君の弟が、ステッキの先へハンケチを結びつけて、それを勢いよくふりながら「
兄さん万歳」をくり返している。