寺へ引き取られたこどもの時分から、魚に餌をやりつけているので、魚の主なものは見覚えてしまい、友だちか
兄弟のように馴染んでしまっていました。
洛中洛外に激しい飢饉などがあって、親
兄弟に離れ、可愛い妻子を失うた者は世をはかなんで自殺した。
が、前借の見込みも絶え、父母
兄弟とも喧嘩をした今は、——いや、今はそれどころではない。
遠くの父母や
兄弟の顔が、これまでになく忌わしい陰を帯びて、彼の心を紊した。
その混り具合によって、
兄弟の性格が各自異なっているのだと思う。
ニイチエ、ヴエルレエン、ゴンクウル
兄弟、ダスタエフスキイ、ハウプトマン、フロオベエル、……
その中でも哀れをとどめたは、
兄弟のやうにして居つた「しめおん」の身の上ぢや。
路がだらだら坂になつた時、
兄弟らしい村の子供が、向うから二人走つて来た。
云はば
兄弟のやうなものではありませんか? どうかわたしたち親子も願ひますから、少しは可哀さうだと思つてやつて下さい。