博奕其のものの善悪は論外として、其の親分なるものの性格には洵に※び難い美点があつた。
あるとき
博奕場で他の者と論争を始めると、相手は腕をまくってこう言った。
相手のものでも無いのに
博奕で勝ったら土蔵一戸前受取るつもりで勝負をする。
伝吉の父は伝三と云い、「酒を好み、
博奕を好み、喧嘩口論を好」んだと云うから、まず一村の人々にはならずもの扱いをされていたらしい。
同時にまた
博奕打ちらしい男も二三人の面会人と一しょに看守のあとについて行ってしまった。
「小
博奕でも打つぐらいの奴なら、旅籠屋へきて別に悪いこともしねえだろう。
——親子五人の口をつなぐ飯米の最後の二俵を、親爺の留守のあいだに橇で町へ運び出し、金に代え、それを
博奕のもとでに使い果してしまったのはつい一週間まえのことだ。
あいつもお前この頃ぢや、ぱつたり
博奕を打たなえと云ふぢやあ。