元気に噪いで喋べり捲ってるかと思うと、笑声の下から歎息を
吐くものもあった。
さりながら論語に唾を
吐きて梅暦を六韜三略とする当世の若檀那気質は其れとは反対にて愈々頼もしからず。
若い農夫は驚異の眼を※り、ほっと溜め息を
吐くようにして、猟銃を自分の足許に立てた。
落葉が降り留っている井戸端の漆喰へ、洗面のとき
吐く痰は、黄緑色からにぶい血の色を出すようになり、時にそれは驚くほど鮮かな紅に冴えた。
想うに渠が雪のごとき膚には、剳青淋漓として、悪竜焔を
吐くにあらざれば、寡なくも、その左の腕には、双枕に偕老の名や刻みたるべし。
たとえば人の噂などをする場合にも、実際はないことを、自分では全くあるとの確信をもって、見るがごとく精細に話して、時々は驚くような嘘を
吐くことが母によくある。
わがいふ家の石垣よりのぞきたる三條の樋の口は水を
吐きて石盤に入らしむ。
人の心もやゝ倦む頃の天に打対ひて、青葉のあちこち見ゆる中に、思切つたる紅の火を
吐く柘榴の花こそ眼ざましけれ。