だからポオの The Tell-Tale Heart. の如きものが、
喰いつきたいほど好きである。
若しそれ十銭しか出て来ぬときは、卵パンをかじることとし、万一不幸にも一銭も出て来ぬときは、武士は喰わねど高楊子をいたし、晩飯をうまく
喰う楽しみを得るものとす。
こんなやつに頸のあたりを
喰いつかれ、生血をちゅっちゅっ吸われたら、いかな頑固爺の金博士であろうと、ひとたまりもなかろうと思われた。
どっちの場合も、人様のおかげをもって、どえらい傍杖的被害を
喰う虞れが十分に看取されたものだから、どうして落付いていられようか。
だが、人の心に巣
喰う退屈は、恋の病共々四百四病のほかのものに違いない。
一輪車が咽ぶその反対の方向では、白楊の丸太を
喰うマッチ工場の機械鋸が骨を削るようにいがり立てた。