ところが
塔内に入ってドアを締め終った老看守は今度は身をすりつけるようにして急に声をおとすと、訴えるように言った。
雪の
塔の中はどんなにか寒いだろうと玉雄は思っていましたが、まるで違って春のように暖かです。
赤、緑、橙等さまざまな信号燈の配置に囲まれて、入換作業場の時計
塔が、構内照明燈の光にキッカリ四時十分を指していた。
しかも彼等の頭の上には、——ラマ教の寺院の
塔の上にはかすかに蒼ざめた太陽が一つ、ラッサを取り巻いた峯々の雪をぼんやりかがやかせているのである。
さて私は落葉をふんでこの奇妙な建物にちかづき、しばらく感慨ぶかく円形の
塔を仰ぎみたすえ、急傾斜の鉄筋コンクリートの階段をのぼった。
そしてところどころに、研究所の古風な赤煉瓦の建物が頭を出していたが、それとはまた別に一棟、すばらしく背の高い白壁づくりの
塔が天空を摩してそびえていた。
世俗に聖堂と呼ばれている、このニコライ堂そっくりな天主教の大伽藍が、雑木林に囲まれた東京の西郊Iの丘地に、R大学の時計
塔と高さを競って聳り立っているのを……。
その中の一棟は建増の最中で、高い足場の内には
塔の形が見えるのでした。