尤、素朴単純な信仰状態では、神の名を喚んだゞけで、其属性の或部分を人間が左右し得たので、神は即惹かれ依るものと信ぜられたのである。
尤、神或は神なる人にかけて、常に使ひ馴れた為、自然敬意を離れては用ゐる事は無くなつてゐた。
勝家を頼ったのも、
尤であるし、勝家またこれを推して、自らの威望を加えんと考えたのも当然であろう。
「真田
尤也、中務が娘を養い置きたる間、わが婿にとあらば承引致すべし」と、云ったとある。
これでさえもこれほどなんだから左近右衛門の娘に衣類敷金までつけて人のほしがるのも
尤である。
それが今こんな上品な交際振りをする人と知合ひになつたのだから、喜ぶのも
尤である。
尤、日本の國では、まだのらの家出を肯はぬ若干の人が居ることも事實である。
尤、これ以外にも、「奧の細道」には是に類似の所がいくらもあるから、虚構の事は隨處に成立する。
馬「木地で化粧なしで綺麗だから、何うも得て何処か悪い所の有るもんだが、こりゃア疵気なしの
尤い玉で」