そのため幾度が撃ち
損じたものですが、この頃は度胸が据わったためか、撃ち損じということはありません。
江戸の侍の機嫌を
損じると店の商売にかかわるばかりか、どんな咎めを受けるかも知れぬぞと、彼女は主人から嚇されて来たのである。
一方、漫画家のBは、自分の作品が名女優の御気嫌を
損じたことを遺憾とし、展覧会場に慈善箱をつるして、賠償金十万フラン調達のため、一般観衆の喜捨を求めた。
弁解せずして自分が、自らと他との運命を
損じることを罪と感じるところに道徳は成立するのである。
いつぞやわたしが捉え
損じた時にも、やはりこの紺の水干に、打出しの太刀を佩いて居りました。
いつも手柄話ばかりしていますから、きょうはわたくしが遣り
損じた懺悔話をしましょう。
流の岸は人造石の堤防で堅めてゐるので、水は割合に激せずに流れるのであるが、それでもその堤防の
損じた処がところどころにある。
その本所の亀沢町に身分こそ徳川の旗本であったが小禄の貧しさは
損じた門破れた屋敷の様子にも知れる左衛門太郎という武士があった。
容姿端麗、遠く藤原氏時代の木彫だと聞くが、細い指の尖まで聊も缺け
損じた處がない、すらりとした立像の、其の法衣の色が、乃し瞳に映つた其の萌黄なのである。
何時ぞやわたしが捉へ
損じた時にも、やはりこの紺の水干に、打出しの太刀を佩いて居りました。