児童を教育するにつけても、学校を卒業させて月給に有附かせる外には望みは無いから、学校の教課
書さへ読んでればいゝやうに思つてゐる。
保吉はきのうずる休みをしたため、本多少佐の頓死を伝えた通告
書を見ずにしまったのである。
夏目先生は
書の幅を見ると、独り語のように「旭窓だね」と云った。
そこで彼は敵打の一行が熊本の城下を離れた夜、とうとう一封の
書を家に遺して、彼等の後を慕うべく、双親にも告げず家出をした。
書紀によると、日本では、推古天皇の三十五年春二月、陸奥で始めて、貉が人に化けた。
だが松洲先生やお嬢さんは、私の身体のことを心配してくれて、読
書さえも控え目にするように言ってくれた。
軍需成金共が跋扈してゐて、一人静かに
書を読まうとか、傷ついた心身を休めようとか、さういふやうなものは問題ではないのだ。
然らずんば、予が一生の汚辱を披瀝せんとする此遺
書の如きも、結局無用の故紙たると何の選ぶ所か是あらん。